3 生活環境の保全対策の推進について

 

【吉田町長発言要旨】 

 秩父地域は、幾重にも織りなす山々に囲まれ、北は群馬県、西は長野県、南は山梨県、東京都に接しており、山々には原生林を始め、広大な自然と豊かな緑に恵まれています。また、母なる川荒川の源流部にあります。

  そこで、この豊かな水資源のかん養などの多様な森林資源を保全していくためには、次のような施策が必要と考えます。

1 河川の水質汚濁を防止するための生活排水対策重点地域においては、設置者の負担を軽減させるための補助制度の拡充を図る。

  また、特定地域生活排水処理事業による合併浄化槽設置費及び便槽等の撤去費に対する県補助制度の創設が必要である。

2 森林の多目的機能を持続的に発揮するため、緊急に間伐等の森林の手入れが必要であり、そのための財源を確保する措置及び制度の確立を図る。

  また、公共施設等での間伐材の活用についても更なる推進を図っていくべきである。

3 ゴミの不法投棄は、秩父地域においても例外ではなく、秩父地域の観光資源 である豊かな自然や魅力的な景観の阻害要因となっている。このため、関係する市町村や県が連携してパトロールをするなど広域的な対策を講じることが必要である。

 

【環境防災部意見要旨】

    県では、多様な生物が生息し、人々にうるおいと安らぎを与えるふるさとの川の再生を目指して「ふるさとの川再生戦略」に取り組んでおります。

  なかでも、汚濁原因の3/4を占める生活排水対策は重要であり、現在、県内の5地域を生活排水対策重点地域に指定し、市町村の生活排水対策推進計画 策定費を補助するなど、合併処理浄化槽等の生活排水処理施設の計画的な整備に積極的な支援を行っているところです。

  本年度は、荒川上流域生活排水対策重点地域の6市町村への計画策定費 補助を行うとともに、赤平川流域生活排水対策重点地域の3町村に対しましては、計画を推進するための住民への普及・啓発活動に補助を行う予定でございます。今後とも、合併処理浄化槽の整備・促進のための支援に努めてまいりたいと存じます。

    次に、特定地域生活排水処理事業についてでございますが、この事業は、市町村が国の補助を得て、公営企業として合併処理浄化槽を設置し管理する事業で、生活排水を処理するに当たり、合併処理浄化槽が効率的な地域においてその面的整備を図る上で、極めて有効な国庫補助事業でございます。お話のありました、この事業に係る県費補助制度の創設につきましては、今後、国の制度との整合性も考慮しながら、検討してまいりたいと存じます。

   続きまして、ゴミの不法投棄の問題でございますが雑木林や山林など人目につかない地域では、産業廃棄物や家庭から出る廃家電製品等一般廃棄物の不法投棄が後を絶たないのが実情であります。

  このため、県では現在、全県的に不法投棄の未然防止や初期対応の迅速化を図るため、県内5つの環境管理事務所ごとに、警察本部や市町村と連携し、彩の国環境クリーン作戦2002」を展開し、監視・パトロールや指導・取締りなど に取り組んでいるところであります。

  今後とも、警察本部や市町村、さらに県民や事業者との連携を一層強化し、不法投棄の撲滅に向けて、積極的に取り組んでまいりたいと存じます。

 

【農林部発言要旨】

  2のうち、緊急に間伐等の手入れを行うための財源を確保する措置及び制度の確立につきましては  ・ 今年の2月に策定しました「彩の国5か年計画21」において、間伐面積を大幅に増やし、従 来の3倍にあたる年間3千ヘクタールの間伐を実施することといたしました。

    実施に当たっては、森林組合、市町村、森林ボランティア、NP0法人など多くの県民の方々の協力をいただきながら進めてまいります。

   ・ また、森林所有者等が行う歩道の整備や境界の確認などの活動に対しまして、新たに創設した埼玉県森林整備地域活動支援基金を活用し、1ヘクタールあたり年間約1万円を交付してまいります。

  2のうち公共施設等での間伐材の活用につきましては、

    県庁内関係各課で構成する連絡会議を開催して、全庁的に公共施設等や机・椅子等の身近なものへの間伐材利用を促進してまいります。

    併せて、公共施設等での間伐材などの利用事例を紹介した「県産木材いきいき事例集」を作成したので、これを市町村等へ配布し、PRを行うとともに、丸太やチップなどとして土木工事や公園整備事業での利用を進めるために、設計や積算に使用する間伐材使用土木構造物等の歩掛や単価表を整備してまいります。

 

【警察本部発言要旨】

  環境保全対策の推進につきましては、積極的に取組んでいるところであります。

  まず、県下の情勢につきましては、県民の環境保全に関する意識が高いのにもかかわらず、県内における環境関係事犯は、依然として跡を絶たず、その内容もこれまでに多く見られた野外焼却から不法投棄、不適正保管等に移行するなど、悪質巧妙化するとともに広域化する傾向にあります。

  警察といたしましては、このような悪質巧妙化する環境関係事犯に対応するため、県及びさいたま市の環境行政部局に警部を始めとする合計9人の警察官を出向させ行政機関との連携を強化し、平成12年からは「彩の国 環境クリーン作戦」を実施しています。

 また、警察全体の重点施策として「環境関係事犯の根絶」を掲げるとともに取締りを強化した結果

    ○ 平成13年中 111107人 (平成12年比:+1件+3人)

    ○ 本年3月末  25 22人 (昨年同期比:+12件+9人)の環境関係事犯を検挙しております  秩父地域における主要な検挙事例といたしましては、昨年10月2日、埼玉県民及び東京都民の貴重な飲料水となっている秩父市内の荒川河川敷に、有害物質(鉛、ひ素)等を含有したレンズ研磨汚泥 等を不法投棄した悪質な廃棄物処理法違反被疑者2人を逮捕しました。

   さらに「FIFAワールドカップ2002TM」の開催を控え、県内の観光資源の保全等を目的に、各警察署ごとに、ごみの散乱が著しい地域を指定のうえ、空き缶等のポイ捨て行為を指導取締りの対象に加え、よう撃的な捜査を実施するなどして、ごみの散乱防止活動を推進しているところであります。