1 子育て支援対策の総合的推進について

 

【宮代町長発言要旨】

  児童虐待の防止については、虐待を早期に発見し、対応することが今後の課題となってくるものと思われます。そのためには、児童や家庭に対する相談支援体制の強化を図り、地域・関係機関が意見交換や情報交換を行い相互に連携し、効果的な援助方法や対応を協議することを目的に、児童虐待防止のためのネットワークシステムづくりが必要となっております。

 また、児童虐待が発見され、一時保護や施設入所を実施しなければならない場合、近年の児童虐待の増加に施設数が伴っていないのが現状です。

 さらに、児童虐待については、児童相談所の職員が一事件に係わる時間が長期的になることから、多くの職員が必要となり、現在の児童相談所の職員では対応できない状況が市町村からも感じられます。

 ネットワークづくりや児童の受け入れ態勢等の児童虐待防止対策について県の考えを伺いたい。

 子育て中の家庭には、経済的負担を軽減するという観点から、「乳幼児医療助成事業」など、就業機会の拡大を図るという観点から「放課後児童受け入れ体制整備」など、格段な施策展開が必要です。

 しかしながら、財政基盤の脆弱な町村においては、残念ながら困難な状況であります。

 このため、予算規模に比較し積極的な子育て支援にかかる取り組みを実施している町村に対する傾斜配分方式(仮称「埼玉方式」)での、県の財政支援の拡充ができないか、県の考えを伺いたい。

 

【健康福祉部意見要旨】

お尋ねのうち、まずネットワークづくりにつきましては、県民に身近な市町村の役割が大変重要であることから、昨年7月に「児童虐待防止関係機関ネットワーク大会」を開催し、市町村ネットワークの必要性を広く各方面に呼びかけたところです。また、市町村ネットワーク会議の開催に要する経費の助成や関係情報の提供など、市町村に対する具体的支援を行ってきており昨年度末には42の市町にネットワーク組織が設置されました。今後とも市町村ネットワークの設置促進とその充実強化に努めてまいります。

 また、要保護児童の受け入れ対策につきましては、これまでにも児童養護施設の定員増などにより受け入れ枠の拡大を図ってきたところですが、今年度においても、地域小規模児童養護施設の新規設置や、民間児童養護施設の新設などにより枠の拡大を図っているところです。

  さらに、前年度に続いて児童福祉司等の増員により児童相談所の体制強化を図るとともに、虐待に迅速且つ適切に対応するよう母子保健マニュアルの改訂や医療機関向けパンフレットの作成を行ったほか、虐待予防の観点から、現在教育機関との連携を図る中で子育ての意義を子ども達に伝えていくことを検討しているところです。

  児童を取り巻く状況は、児童虐待相談の急増やそれに伴う要保護児童の増加に対する対応など課題は山積しておりますが、今後とも、市町村の皆さんの御協力のもと、児童虐待防止の総合的対策に取り組んでまいります。 

次に、子育て支援に係る県の財政的支援の充実についてでございますが、「子どもは国の宝」、家庭の子育てを社会全体で支援すべきとの知事の考えに基づき、低年齢児保育や子育て支援センターなど平成14年度のエンゼルプラン関係予算につきましては、県財政が厳しい中においても前年度比12.7%増と積極的な予算を確保することができました。

  また、乳幼児医療費支給事業につきましては、補助対象年齢を2歳までから就学前までに拡大し、市町村の補助額は大幅に増加することになりました。

  さらに、県では、「彩の国5か年計画21」の中で、保育所待機児童の解消、低年齢児保育や子育て支援センター、放課後児童クラブの拡充など「子育て支援の充実」を図ることを重要施策として掲げまして、今後とも、子育て支援事業に積極的に取り組んでいる町村に対しまして、その事業に要する財政支援を引き続き行ってまいりたいと存じますので、御理解をたまわりますようお願いいたします。