1 合併特例法期限後の町村像について
【松伏町長発言要旨】
市町村合併特例法の期限到来まで2年を切ったが、市町村の合併について、
若干疑問に思っていることがあるので、県の考えをお伺いしたい。
私は、町村が合併する、しないということは、最終的に住民の判断に委ねる必要
があると考えており、実際に、合併論議が盛んに行われている地域の町村長さん
も同じように考え、住民の意向を問う作業を進められていると思います。
また、一部の地域では、合併せずにいくという選択をした自治体があったとも聞
いています。
ところで、特例法が適用されている間に合併した場合のメリット、デメリット、合併
しなかった場合のメリット、デメリットについては、いろいろ議論がされております
が、特例法の期限到来後もなお合併しなかった町村があった場合、制度上どのよ
うな位置付けがされることになるのか、国のビジョンも具体的に示されていないよう
に思います。
しかし、新聞報道などによりますと、平成17年3月以降、自治体規模に応じて権
限に制約を加えるとか、権限の再配分がなされるといったようなことが検討されて
いるとも聞いております。
いま合併論議が進められている中で、今後の町や村の基本的なあり方について
説明が不十分な場合、住民の判断を誤らせる恐れがあり、こうした点についてしか
るべき情報提供が必要であると考えますが、県としてどうお考えかお示しください。
また、町村が小規模な自治体として留まる場合、制度上、どのような選択肢が考
えられるか、お分かりになる範囲で結構ですから、お示しください。
【総合政策部発言要旨】
合併特例法期限後の町村像につきましては、昨年11月に地方制度調査会に
提出された、いわゆる「西尾私案」をきっかけに、様々な議論を呼んでいるところで
あります。
西尾私案は、地方制度調査会の西尾副会長から示された「今後の基礎的自治
体のあり方」に関する試案でありまして、基礎的自治体のあるべき姿として、現在の
市並の事務を処理できる規模や能カを求め、合併に至らない一定の人口規模に
満たない自治体にっいて、権限の縮小や隣接自治体への編入等を提起している
ものであります。
これに対して、全国町村会は、複数の自治体が共通の行政課題に連携して対
処する「市町村連合」の創設を提案して、小規模市町村の独立性を堅持する姿勢
を強調するなど、関係各方面から賛否両論が相次いでいるところであります。
この点について4月30目に発表された地方制度調査会の中間報告によります
と、平成17年4月以降は合併特例法に変わる新たな法律を制定し、一定期間さら
に自主的な合併を促すこととしておりまして、基礎的自治体としての人口要件につ
いては明示されておりません。
また、中間報告では、合併後も旧市町村単位で一定の事務処理権限を認める
「地域自治組織」の制度化を提案しております。これによって合併に関する弊害を
緩和するとともに、合併後の自治体の形態に新たな選択肢を示したものでありまし
て、平成17年4月以降はこの制度に基づいて合併の是非を判断し、合併後の形
態を選択していくものと考えられます。
なお、この制度の導入後一定期間を経た後も存在する小規模自治体の扱いに
関しましては、今後の検討課題とされております。
県といたしましては、自主的な市町村合併を支援する立場から、今後の国にお
ける議論を注視するとともに、積極的に情報収集を行い、市町村に対する情報提
供に鋭意努めてまいりたいと存じます。